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つむぎとうか

   
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終わりの鐘は、高く Ⅲ
パラレル・女体化・死にネタ注意。舞台はどこか外国。時臣と凛と桜が姉妹。

『ああ、財産目当てだな、って、すぐにわかったよ――両親を介して行われた彼のプロポーズは、正直胡散臭くて逃げ出したかった』
『でも、貴女も一度は頷いたんですよね?』
『意地悪だね、綺礼』
 あのあと、綺礼と時臣がこっそり交わしていた会話を、桜はばっちり聞いていた。
『政略結婚なんて、遠坂を守るためには些細なことだ、と思ってたから。婿はまあ、遊び呆けてくれるタイプの方が私が実権を握れるから、形だけ夫婦でいましょう、って言えば何とかなるかな、と――あれ、怒ってる?』
『怒ってませんが呆れています。腕に触れられただけで泣きそうになってらした方が』
『お父様以外の異性にはそうなってしまうんだよ……どうやら君は例外みたいだけど』
 綺礼がはっとした。そういえばまだ時臣の頬に指を置いたままだった。
『すみません』
『謝らなくて良いってば』
 時臣は苦笑した。先刻の青年に与えられた不快さはとうに上書きされた。
 真っ直ぐでいつでも側に居てくれる、頼れる財産管理人のおかげで。

 いい雰囲気だ。桜は内心歓声をあげた。このやり取りも、さっそく凛に報告しよう。
(あの男の人は、大嫌い。お姉さまをいやらしい目で見てたから)
 三人姉妹の中で、桜は最も観察力に優れていた。それだけでなく、嫌な予感も覚えた。
 プライドだけは高い大の男が、使用人と少女にやり込められて、それでおとなしく引き下がるだろうか――?

 急に寒気が襲う。壊れた窓から隙間風でも入ってきたのだろう。綺礼に修繕をお願いしなくては。
 まずは時臣に頼んで、温かくて美味しい紅茶を淹れてもらおう。



 桜の懸念は的中する。
 元・婚約者の青年が、僅かに残された遠坂の財産を奪おうと水面下で画策し始めたことに、綺礼も時臣もまだ気づいていなかった。



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