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つむぎとうか

   
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貴女の隣
not学ヘタな学パロ伊洪(人名使用)。
年上の幼なじみ。

彼女はいつも、少し先を歩く。
声を掛ければ立ち止まってくれるけれど。
いつの頃からか、妙に意地を張って追うのを諦めていた。
彼女と並んで歩ける人物はうんざりする程いたから。
「フェリちゃん」
幼い頃からの呼び方も変えず、あいかわらず優しい年上の幼なじみ。
「何?エリザさん」
心もち不満を含んで返したのに、満面の笑みのままだ。
セーラー服のエリザと並ぶと、自分は学ランを着こなせていないのがはっきりわかる。――二学年の差。
まあ、同じ学校に通えるだけで幸せなのだが(そのための受験勉強は必死でやった)。
「入学おめでとう。また一緒に登校出来て、すごーく嬉しいっ」
エリザがこんなふうにはしゃぐ相手は限定されていて、たとえばローデリヒの前に出ると、猫を被ったように大人しくなる。
優越感より焦燥が募る。
「学年でフロアが違うんだし、ほんと登校くらいしか一緒にいられないじゃん」
唇を尖らせる。エリザは、懐かしいものに出会ったかのように瞳を開いた。
「中学の時も、同じようなこと言ってたわよね」
そう、また繰り返すのだ。もどかしくて時を止めてしまいたくなるような一年間を。
「子供扱いはやだって言ったのに」
「フェリちゃんが拗ねるのも私の前くらい、でしょ?」
本当に好きな相手には、いつもにこにこしているような余裕も持てないものなのだ。「じゃ、今日の可愛いエリザさんはオレが独り占めっ」
ぎゅ、と、不自然じゃない程度に抱きつく。
これからの重なる高校生活、貴女が少しずつでも、オレを意識してくれますように!

終わり

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