忍者ブログ

つむぎとうか

   
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

無意味な粉砕者
普→辺→露→洪
普、辺、洪ほかが露の家で共同生活しています。
やまなしおちなしいみなし。

兄さんは私のすべてだ。
ことさら強調するでもなく、いわば事実を確認するだけの調子でベラルーシは呟きを落とす。
それを受けるプロイセンも、表面上は淡々としていた。遮っても無駄だろう、彼女の兄へ注ぐ“愛”のたけは。
が、内心は穏やかでなかった。吐息のかかる距離で、しなやかな髪が一筋、こぼれて彼の頬に落ちる。
掬おうかと指を伸ばすと、無造作に振り払った。
こうした時でなければ、決して触れることなどしないくせに。
「わざわざ主張するために俺に会いに来たのか?ご苦労なこった」
「貴様とて理由はわかるだろう」
夜の帳、寝室。メイド服のまま、部屋のノックもせずに堂々と闖入したベラルーシの“訪問”に、甘い欠片ひとつも感じ取れない。
食卓の席でも、ずっと様子がおかしかったのだ。
「ハンガリー、か」
巨大な家に暮らす者ならわかる、ロシアのお気に入りの存在。
「あの女と話す時だけ、兄さんは優しい。昔、姉さんと三人の頃だって、あんな柔らかい声は出したことがなかった!」
震える肩を抱いても拒まれなかった。いま、彼女の頭の中はロシアとハンガリーで占められていることだろう。
決定的な言葉は、夕方ロシアの口からもたらされた。
『僕、異性としてハンガリーを意識してるんだ』
それがいつからだったか、プロイセンは推定しかねている。出会ったのはお互いが幼い姿をしていたし。
少年姿のロシアは、儚く消えてしまいそうな時期もあったと、リトアニアから聞いている。
勇ましかった在りし日のハンガリーに、彼は憧れを抱いたのかもしれず。
ひとつ屋根の下となってから、淡い気持ちが決定的に変化したのかもしれない。
それが“恋”なら、当事者たちの問題だろう。

ハンガリーの方の反応を思い返す。
ちらりとだけプロイセンを見やったのは覚えているけれど、すぐにロシアにきっぱり引導を渡した。
『生憎だけど、あなたは趣味とはちがうの』
えー、と、心からがっかりしたロシアだったが、『ほいほい受け入れるとも思ってなかったからいいや』と、それこそ子供みたいに素早く立ち直っていた。
プロイセンとベラルーシを除くメンバー達は、戦々恐々としていたが。
食事を済ませ、明日に備えて寝る時刻になってから。
ベラルーシがやって来たというわけだった。

威嚇しているつもりなのか、やたら顔を近くして、ぎっと睨みあげてくる。プロイセンの角度から見れば誘われていると取れなくもない。
無防備な女だ。
「ロシアにきっぱり諦めさせたいなら、ハンガリーに直談判しろ。俺に喚いてもしょうがないだろ」
「兄さんを悲しませたいわけじゃない!」
どうしろという。
「あの女が貴様を見ているのが問題なんだ」
「まさか――俺を殺すのか?」
「ああ本当に、出来ることならそうしてやりたい」
ベラルーシは勘違いをしている。プロイセンとハンガリーは腐れ縁以上の関係にはなく、ハンガリーがロシアに絆される可能性だって今後、無くはないのだ。
教えてなどやらない。
ロシアが報われれば、ベラルーシはある程度は妨害するだろうが、最終的には祝福するのだろう。
痛む心を隠して。
そんな結末は望まない。
「くだらねえ。なるようにしかならねーよ」
いっそ俺を見ろと、歯の浮くような台詞を言えたら良かったのに。

しゅっと、ベラルーシの握った拳が脇腹に食い込みそうになり、慌ててガードした。
「お前もあの女も不快だ。やるせない気持ちをぶつけることにする」
「ただのサンドバッグ宣言かよ」
受けて立ってやろう、それで少しでも気が紛れるなら。
もし、彼女がプロイセンに関心を向けてくれるようになれば。
楽観的な希望は流石に有り得ない話だが。
(お前の心の一角に居たいんだ)
厄介な相手を好きになってしまったものだ。

終わり

これどうにか普辺で露洪に持っていきたかったんです・・・無理でしたorz

PR
  
COMMENT
NAME
TITLE
MAIL (非公開)
URL
EMOJI
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
COMMENT
PASS (コメント編集に必須です)
SECRET
管理人のみ閲覧できます
 
カウンター
Copyright ©  -- 紡橙謳 --  All Rights Reserved

Design by CriCri / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]